2008年10月15日水曜日

身延山久遠寺と七面山を結ぶ赤沢宿

身延山久遠寺と七面山の間にある赤沢宿。

赤沢は日蓮宗総本山である身延山久遠寺と、霊山といわれる七面山を結ぶ参道の間にあり、古来より日蓮宗の信者や参拝客を迎える宿場として栄え賑わいをみせましたが、今はひっそりとその姿を国の重要伝統的建造物群保存地区として保持しています。
過去は豊富な木材資源を背景に、杣人や木挽きや大工など、多くの職人が育ち山村文化を形成してきたそうです。
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現在では旅館が1件と週末と平日不定休の蕎麦処が1件あるのみで宿場町としての活気はみられませんが、歴史ある宿場町の石畳や建物は周囲の静けさとともに、当時へタイムスリップするかのような環境を作り出しています。
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脇を流れる春木川は糸魚川静岡構造線という日本を大きく分ける断層が走っており、フォッサマグナと呼ばれる東北日本と西南日本の境目とされる溝の西側にあたります。
フォッサマグナ自体は関東甲信越地方の下に形成されている窪地のことで、その深さは周辺の3000m級の山々の標高を足して考えると1万メートル近いともいわれています。その上に堆積した土の上で我々の多くの人々は生活しているということになります。
フォッサマグナ=糸魚川富士川構造線と間違うケースがありますが、糸魚川富士川構造線はあくまで線であり、フォッサマグナは面になります。

町の目の前には1982mの七面山が聳え立ち、標高差は1500m。このあたりから富士川周辺には、身延山の久遠寺を始めとして数多くの神社・仏閣が存在するのも、大地のぶつかり合う大きなパワーが衝突する場所がもつ地球的エネルギーに昔の人は神の力を感じ取り、人々を引き付け信仰されたのではないかと感じずにはいられません。自然の持つパワーを感じずにはいられない場所です。

写真は赤沢の少し上流にある七面山への登山口付近の春木川。
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ここにはこれから七面山へ登ろうという人たちや参拝を終えた人たちが白装束で集まります。登山口付近にはいくつかの旅館があり、頂上付近にある奥の院でも宿泊は可能ですが、そちらは寺院でありあくまで修行の一環で観光旅館ではないので注意が必要です。

身延山久遠寺から久遠寺奥の院へ歩き、そのまま身延山から赤沢へ抜け春木川を渡って七面山へ登る。それが歴史の流れを汲んだルートで、そのためにも赤沢は重要な休息場所だったことでしょう。
そのような行程では赤沢もしくは登山口付近への宿泊が必要で、七面山の敬慎院まで含めて日帰りで登るのはなかなかハードかもしれない。1泊2日、七面山でも宿泊をと考えるなら2泊3日の行程になりましょうか。

登山というより信仰の意味が強いものになるが、自分を見つめなおす意味でも一度そのようなルートで身延山から七面山までを歩いてみたいです。
赤沢は早川町にあり身延山は身延にある。七面山のほとんどは早川町にあるが、山頂付近は飛び地で身延町になっており市町村界という意味では少々ややこしい。信仰のモノなので安易に観光地化することの是非はあるとは思うが、もう少し身延山と赤沢、そして七面山のもつ地球や信仰の歴史と組み合わせれば、十分に満喫する意味を持ち合わせるスポットになるのではないかと感じました。

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